ジェコーの時計を直しました。
その名も「オートクロック」、
またの名を「モーター式自動巻き時計」。
めっちゃ面白そうな響きの時計ですが、
名前の通り、モーターでゼンマイを巻いて動く時計です。
写真右側にあるのがモーターで、
ひとつ小さい歯車を介して、香箱の軸にあたる歯車を回します。
「香箱」は、2つの歯車とゼンマイで構成されています。
ゼンマイは…あのびろーんって胴が伸びるおもちゃみたく、
とてもしなやかなばねでできています。
歯車は、片方は太軸で筒状になっていて、
ゼンマイのばねを太軸にはめ、
もう片方の歯車の細軸を太軸にはめて、「香箱」になります。
そのばねの両端を、上下の歯車にある突起に掛けて、ゼンマイとして機能します。
…なんじゃらほい。
そのあとの輪列は、秒針の車、雁木車、ピンアンクル、テンプという順番です。
分針・時針へは、
香箱の歯にあたる車の、文字盤側に貫通した軸に車がつけられていて、
そこから分針、時針とつながっています。
「香箱」の上下の車には、隣にあるカムを回すための突起がついています。
香箱の歯にあたる車にある突起によって、カムは2分にいちど動かされ、
カムの先にあるスイッチが閉じて、モーターが回って香箱の軸にあたる車を回し、
その車についた突起がカムを回してスイッチを開き、モーターは巻くのをやめます。
電池がなくなって、ゼンマイが巻けなくなると、
香箱の歯にあたる車にある突起はカムに引っ掛かり、時計は運転をやめるため、
ゼンマイが緩みすぎないようになっています。
なにがあれって、
変な仕組みなので説明はしたいものの、
言葉ではうまく伝えられん、
そんな時計でした…
ジャンクで手に入れたときは、ありがちですが油でぎっとぎとで、
引っ掛かる部分を取り除いて試運転したときは、
ひげゼンマイが変形しているのではないかと焦ったが、
実は油まみれで吸い付いていただけ、なんて状態でした。
ゼンマイのばねも若干変形していて、こちらも直すのが手間でした。
油を丁寧に落とし組み付けたら、思いのほか快調に動きだしました。
ゼンマイを巻くのが頻繁なおかげか、結構安定した精度で動いています。
ただ…ゼンマイなのですが、
あらかじめどこまで巻いておけばいいのかが、わかりません。
巻きしめるとこまで巻いたあと、
電池を抜いて2分おきにカムを回してやれば、ゼンマイは緩めることができるのですが…
どこまで緩めれば、正常な運転をするのやら。
以下は余談です:
ブログを書かないあいだに、
ちょいとだけはまっていた時計メーカー…ジェコー…
察しのいいかたは、このメーカーで「あー」と思うかもですが、
はまるきっかけは、車載用の時計を調べてしまったことでした。
うちのダイハツ車のカーオーディオ、
CDラジカセなのですが、
譲っていただいた時から、CD部分が故障していたのでした。
読み込まない。
まー、カセットアダプター(死語)があるので、
MP3プレーヤー(死語)なんかくっつけて聴けるし、いっかー
なんて思っていたのですが、
職場の友人から、トヨタ純正カーオーディオを譲っていただいたのでした。
パイオニアのCKP-W55です。
うちの車にはワイドははまらないので、
別でジャンクのCKP-D52を用意し、
前面のパネルだけ拝借して、取り付けたのでした。
トヨタ純正のカーオーディオ。
そう、時計機能がないんです。
時計は必要。
何とかなるやろ、とか思っていたのですが、
そう思った当日に、カーオーディオの画面に目をやった回数は、
15分で実に4回。
どうせつけるなら、後付けの安物ではなくて、
もともと車載向けに作られたものがいい、
なんて、よくわからんことを思って、
以前調べて、薄い関心の中で唯一記憶に残ったジェコーの時計を、
某オークションで探す旅に出たのでした。
ジェコーの車載時計は、
「オートクロック」、
音さ時計、そして、
クォーツと、3種類があるようでした。
やっぱかちかち言うのがええので、
3種類の中でいちばん古いだろうと、オートクロック狙いに。
最初、あれはトランジスタ時計だと思っていたのですが、
筐体が小さいので、どうも違いそうだということで、
落札後に届いた実物を見て、
なるほどそう来たかと思ったのでした。
車載用12Vの時計は、
2分にいちどゼンマイを巻くのではなく、
ずっとモーターに電気を流して、巻き続けるものでした。
香箱っぽい仕組みは一緒ですが、
ゼンマイにあたる部分がずいぶん簡素化され、
直接輪列につながないようにすることで、安定して回せるようにというような、
最低限の仕組みのようでした。
東京時計版もあるそうですが、
聞くところによると、そちらは時計メーカーらしい作りになっているそうで、
機会があれば、探してみたいと思っています。