はるかぜ

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こないだの、精工舎ローレルについて

 以前記事にした、精工舎のローレルですが、
スーパーとかとは違うよなぁ」と思ったことが少しあるので、つらつらと書きたいと思います。


 その1、「でかい」。
機械が大きいです。
スーパーやそれ以前が10型くらいなのに対し、ローレルは12型だそうです。
と言っても、マーベル以降、機械が大きくなりましたし、ケースがいたって普通の大きさですから、
とても驚くという、ところまではいかないかもしれません。
しかし、懐中時計にもと考えると……小さすぎるような気がします。
「ポケットウォッチ」という言葉が、似合いそうですね。


 その2、時刻調整機構が不思議。
……というよりも、どんどん改良して現在の形になったのでしょうが、
かなり部品に厚みがあります。
折れる気配が、あまりしてきません。
ただ、カンヌキ押さえですが、変形のしようがなく、
摩擦で切換えているような感じなので、折れはしないが摩耗しそうです。
オシドリが、本当に鳥のような形をしています(笑


 その3、テンプの作りがなんというか。
ここを参考に説明してみます。
ひげもちは、ねじ止めではなく、テンプ受けに入れられた切れ込みにはめる形になっていました。

 ひげ棒とひげ受けは、2つの部品ではなく、1つの部品で構成されていました。
ひげ棒にあたるところから1本棒が出ていて、それがひげゼンマイを持つように曲げられています。

 それと、天輪……水平方向から見るとずれはないのですが、
上から見たときに、左右に揺れています。
中心の穴が、ちゃんと中心に来ていないようです。
たぶん、このずれを修正するために、周りにチラネジがついているのだなぁと、
妙なところで感心しました。
調整するの難しいだろうなぁ……
おそらく、これを調整したら、姿勢差もだいぶましになると思います。
ということで、問題の姿勢差をとってみました。

▽平置き・表
イメージ 1

▽平置き・裏
イメージ 2

▽12時上
イメージ 3

▽3時上
イメージ 4

▽6時上
イメージ 5

▽9時上
イメージ 6


……二の腕を描いてみたり、床屋さんのポールを描いてみたり、やりたい放題です。
その人がどう使うかによって、1日にどれだけずれるかが、大きく変わってきそうです。


 その4、ゼンマイが……
固い。
私がつけた竜頭の頭が小さいせいなのか、本当にゼンマイが固いのか。
それと、ゼンマイをまくと、普通は(?)コハゼが戻る分少し緩んで、
ぎっちぎちに巻ききることは、そうそうないと思うのですが、
これは、その戻り分が全くないので、巻きすぎに注意しないとならないような気もします。


 その5、ちょっとした面白さが、ちょこちょこみられる。
ダマスキン模様が、二番車の軸のところにあります。
この模様、私は初めて実物を見たので、おおっと思いました。

 軸受けの板も、軽く円を描くような模様がうっすら見えてきます。
また、角が削ってあり、丸くなっているのですが、きれいに削られてはおらず、不揃いなので、
手作業で削っておったんだなぁと、逆にほっこり(?)します。


 その6、ベルトに困る。
ベルトはついていませんでしたが、ばね棒はついていました。
しかし、外れる類のものではないのです(つばが、ない)。
外れないので、引き通しのベルトしかつけられず、そんなものは家どころか、
近所の時計屋さんにも存在しないので、腕にはめることすらかなわない状態です(笑



 まぁ、いろいろと変わった腕時計だなぁというのが、感想です。
いつか腕にはめるときは来るのでしょうか……まぁ、
はめるとしたら、遅れても大丈夫な休日になるでしょうけどね。