はるかぜ

気ままてきとう雑記。 本HPは左のHP紹介欄バナーから。

Citizen F-戦前10型7石

イメージ 1

 直近で直した時計があと2つあるので、ちょっと紹介してみます。
ひとつはこれで、もうひとつは例の玉手箱シリーズです。

 Citizen F-戦前10型の7石です。
……ぜんっぜん知らない名前でした
製造開始年は、1931年だそうです。
Citizenは、資料を探すのがつくづく難しいと感じます。
おそらくその原因は、Citizenの機械の豊富さにあると思います。
大枠はあるけれど、形が違うものが結構あるようなのです。
そこがまた、Citizenの楽しいところなんですけどね。

 この機械、
写真の通り、手元に来たときは巻芯がありませんでした。
オシドリねじが だめになって、巻芯が外れてしまったものと思われます。
写真を撮った翌日に、部品箱からオシドリねじを血眼になって探し、
やっと無理やり合うものを見つけて(だめじゃん)、応急処置な感じで直しました。
写真では分かりづらいですが、
四番車、三番車がかなり汚く、洗ってもきれいにならない状態でした。
ひげゼンマイも、形を整えるのにかなり苦労した上、
組み上げてゼンマイを少しだけ巻いてみたところ、片振りが かなり酷く、
テンプ自身は驚くほど快調に動いているのに、
アンクル爪の衝撃音的には、かなり苦しい状態で動いています。
いっぱい巻いたときはあまり気にならないですが、少し心配です。
そのアンクルに至っては、爪の石が脱落して、ケースの中に転がっていました。
飛ばすのも怖い、落とすのも怖い、
何より割ってしまうのが怖い。
ピンセットを使って慎重にアンクルに爪を挟み、接着剤で止めておきました。
あ、
主ゼンマイも、香箱の中で ぺきぺき5つに分断されていました。
5つって……これも、適当なものと交換しました。
角穴車のねじも、これまた ぜんぜん合わないものが はまっていたので、
部品箱から ちょうど良いものをあてがいました。





イメージ 2

 文字盤が、個人的のものすごく好みです。
秒針は、ケースの中に転がっていたのですが、
長さが合わない、はめても だぼだぼ、
もはや、なんで入っていたのかわからないようなものが入っていたので、
なす術もなく、秒針なしでケースを閉じました。
……オシドリねじといい、ひげゼンマイといい、角穴車のねじといい、
前に持っていた人が、適当に部品詰め込んだんじゃないかしら……とすら思えてきます。
とんでもない状態だったため、だめもとで手を付けてみたら直った、
そんな感じなのですが、
なにせ文字盤が好みなので、
忘れたころに、ちゃんと もう一度手を入れようかなぁ、と思っています。
苦労して ひげゼンマイを整えて組み上げた後なので、
しばらくは手を付けたくない、というのが正直なところです……