はるかぜ

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パソコンのビネガー・シンドローム

 ビネガー・シンドローム
あの怪獣は、
アイツは、そんな名前だったのか。
 
 
 もうパソコンを収集しはじめてからかなり経ちましたが、
(今更ですが)とある症状に悩まされています。
古いパソコンを保有しているかたなら、
もしか遭遇しておられるやもしれませんが、
液晶に起こる、あの症状です。
 
 久しぶりに保管場所からPCを引っ張りだして、蓋を開けたら、
液晶に、怪獣が引っ掻いて爛れたような痕が……
そして漂う酢酸臭。
4年ほど前にも一旦調べたのですが、
何を頼りに調べたものかと、検索語句に苦心し、
結局、その時に分かったのは、
どうも偏光板には三酢酸セルロースが使用されている、
ということくらいで、
その現象の脅威に震えはしたものの、
震えただけで、解決策がよくわからずじまいでした。
 
 3年ほど前の夏、別のパソコンにその症状が発生。
犠牲になったのは、ThinkPad 230Csと220の液晶で、
230Csは予備として箱にしまっており、
220はといえば、これは液晶漏れを起こしていたもので、
どちらも寝床下においていたものでした。
……もしかして、密閉空間がだめなのかしらん。
そう直感が囁き、
正常動作品の230Csと、
のちに正常動作品に仕立て上げた220には、
ちょくちょく用事を作るようにして
(というか、がっつり卒論を叩いていましたが)、
風通しを良くしていました。
 
 230Csは、電解コンデンサ液漏れの古傷が傷んで、
液晶に正常な映像を映せなくなり、
今のアパートに引越しした際に、段ボールの中に入れ、
そのまま1年ほど放置してしまいました。
そうしたら、やはりあの症状が起きてしまったのでした。
油断も隙もないといいますか、もうさすがに懲りまして、
親に怒られてもいいので(笑
めぼしいものは書棚やその辺に移して、
保管することにしました。
 
 それからしばらくは良かったのですが、
ついに、
いちばんやっちゃいけない機種をやらかしました。
ThinkPad 220です。
気づいたのは ついこないだ、11月初め。
だめになった時期が悉く夏だったため、
夏を切り抜けて、もう大丈夫だと思って、
ふた月ほど部屋で放置していたのですが、
蓋を開けたら、
「え……
        うせやん……」
そんな感じでした。
230Csも最近某オークションで出品されないので、
半ば諦めつつ探して……という雰囲気なのに、
よりによっての220。
推測ですが、ThinkPad 220は、
ThinkPad特有の、いわゆるピーチスキン塗装があるので、
それで蓋と本体部が密着し、だめになったのでは……
なったのではないかと思いながら!
こりゃいかん、「ないか」じゃあいかん!
ということで、調べました!
……とか言えたら恪好良いのですが、
調べられたきっかけは、某オークションの説明文でした。
なんか悔しい。
「液晶がビネガー・シンドローム侵されているものがあります」
 
 
ああ、
あの怪獣は、
アイツは、そんな名前だったのか。
 
 
 で、調べてみると、
ネガフィルムのことがたくさん出てくるんですね。
たしかに、それもまずい。
以前フィルムに使用されていた、酢酸セルロースが、
高温多湿下におかれると劣化するというもので、
今回は根詰めて調べたものの、仕組みに関してはっきりしなかったのですが、
揮発した酢酸が溜ると、どうもよろしくないようです。
ちなみにですが、
私が写真部だった時分のフィルムには、
すでに酢酸セルロースは使われていないということでした。
液晶に関しては、やはり偏光板の生産過程で、
保護膜として、三酢酸セルロース
酢酸・酪酸セルロースが使用されているらしく、
酢酸臭というのに、あらためて合点がいったのでした。
ということは、
フィルムの苦手な保管環境を避ける、
つまり、
高温多湿を避け、密閉空間に保管しなければよさそう。
 
 
 
……普段使いで万事解決ですね!(汗